基準が異なる日本と海外のミネラルウォーター

現在、日本では様々な種類のミネラルウォーターが売られています。国内で採水されたものと欧米か輸入されたものが主流です。

しかし日本で生産されるミネラルウォーターと主に欧米で生産される、ミネラルウォーターとでは微妙な違いがあります。

日本と海外の水事情

日本は歴史的に飲用に適した水に恵まれてきました。海外に行った際に水道水を飲んで日本人がお腹を壊すという話をよく耳にします。

これは日本人の胃腸が現地の水に適応しないという意味ではなく、水道水をそのまま飲める環境が世界的に珍しいということなのです。

多くの国ではミネラルウォーターとして飲み水を購入するか、煮沸するなどしてミネラルや不純物を除去してから使用することが当たり前となっていました。

日本ではカルキや塩素の臭いなどの問題はありますが、水道水をそのまま飲んでもお腹を壊すことはありません。安全な飲み水を求める意識が日本人の中で高まってきたのはごく最近のことです。

日本でミネラルウォーターの定義

日本国内で生産されるミネラルウォーターに関しては農林水産省が定めた品質表示ガイドラインに従って定義づけがされます。

水の種類 定義
ナチュラルウォーター 特定の一つの水源から採水された原水をろ過・加熱殺菌以外の化学的・物理的な処理を行わずにボトル詰めされたものをナチュラルウォーターと呼びます。また、ろ過による殺菌だけを行い、非加熱のものもあります。
ナチュラルミネラルウォーター ナチュラルウォーターの一種ですが、その中でもミネラルの含有量が多いものをナチュラルミネラルウォーターを呼びます。
ミネラルウォーター 複数のナチュラルミネラルウォーターを調合したり、オゾン殺菌などを行ったものはミネラルウォーターに分類されます。
ボトルドウォーター ナチュラルウォーター、ナチュラルミネラルウォーターを原料としていないボトル詰めされた飲用水のことです。水道水を原水として逆浸透膜ろ過やイオン分解を行ったものはこれに該当します。

欧米のミネラルウォーターの定義は日本と異なる

欧米産のミネラルウォーターの定義は世界的に通用する国際的な食品規格コーデックスによる定義に準じています。

ナチュラルミネラルウォーター(コーデックスによる定義)

殺菌処理及びその他の人口的な加工を行われていない水であること、さらに水中の成分に有害性が無いことが医学的・科学的に立証されていることが条件になります。

採水の際に空気に触れない状態でボトリングすることや品質の安定のための周囲の環境保全がなされていることなども求められるので採水の段階での基準は日本より厳しいと言えます。

スプリングウォーター

特定の水源から採水した地下水で、ナチュラルミネラルウォーターの条件以外の無添加の水を指します。

日本の農林水産省のガイドラインによるナチュラルミネラルウォーターは非加熱の場合でもろ過を行うので採水後に空気に触れることになり、コーデックス規格によればスプリングウォーターに分類されることになります。

プロセスドウォーター

地下水の中で加熱殺菌などの処理がなされ、ミネラル分の調整が行われたものを指します。

日本のものは軟水がほとんど、海外は硬水が多い

我々の飲み水は元をたどると雨や雪です。これらは標高の高い山から海に向かって流れていきます。

その過程でミネラルを含む地層内に水が浸透していき湧水となります。なだらかな平野が多いヨーロッパでは長い時間をかけて地層内を移動してミネラルを多く含んだ水が原水になるため、硬水が多くなります。

一方、日本は狭い国土面積のわりに山地が非常に多いです。雨や水が地層内に留まる時間が短いためミネラルをほとんど水中に溶かすことなく湧き水になります。日本の水のほとんどが軟水であるのはこのためです。

海外の人気ミネラルウォーターを紹介

日本でも売られている人気のある海外産ミネラルウォーターを紹介します。

エビアン

フランス産で日本では30年前から販売されています。輸入ミネラルウォーターとしては日本人にとって馴染みの深いものです。

比較的カルシウムが多く含まれているため水の摂取量が多い人であればエビアンを飲むことでカルシウムを補給することも可能です。硬度は304の中硬水。

ヴィッテル

ツールドフランスやロンドンマラソンのオフィシャルドリンクです。ミネラルバランスや風味は同じフランス産のエビアンと非常に似ています。

日本で受け入れられやすい平均的な中硬水ということでしょうか。硬度は309の中硬水。

ウィローウォーター

イギリス産の天然水です。鎮痛や新陳代謝の活性に効果があるとされる珍しいミネラル「サリシン」を含んでいることで注目されています。

また、柑橘系の香りがほのかに感じられるため、硬度の割に口当たりが柔らかく飲みやすいです。

ベラフォンタニス

ここ数年で日本で人気を得ているドイツの炭酸水です。カルシウムの含有量がヨーロッパの超硬水の中でもトップクラスで1リットル飲むと成人が一日に必要なカルシウムを摂取出来ます。

また、脂肪を燃焼させ、毒素の排出を促す注目ミネラルのサルフェートが圧倒的に多く含まれています。

炭酸のため、硬水特有のえぐみを感じることなく飲めます。硬度1864の超硬水。

なぜ輸入されるのは欧米のミネラルウォーターばかりなのか?

一般的に日本に流通する海外産のミネラルウォーターはフランス、イタリア、ドイツ、アメリカ、カナダなどの欧米諸国です。

ミネラルウォーターを出荷するためには採水地周辺の環境保全や沈殿・ろ過、場合によって殺菌を行うためのプラントや出荷配送のための道路などのインフラ、豊富な降水量、採水地が汚染されていないこと、など様々な条件が必要になります。

この条件を満たすためにはまずインフラ整備を自国で行える先進国であることが前提です。

またオーストラリアは先進国である上に空気が綺麗なことでも有名ですが降水量が少ないためにオーストラリア産のミネラルウォーターは自国内でほとんど消費されるため、日本に輸出されることはほとんどありません。

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